初めてレンタルサーバーを使う場合には、慣れない用語に戸惑うものです。この記事では、申込み後にサーバー会社から送られてくる情報など、サーバー関連の用語とログイン情報の管理について説明しています。
WS-3:レンタルサーバー関連用語とログイン情報の管理
◆ まず大切なのは、メールを「普段使い」すること!
レンタルサーバーを契約するにあたって、最初にひとつだけ注意していただきたいことがあります。
それは、
普段使っているメールアドレスを使って申込をすること
です。
サーバー会社から送られてくる連絡は、例外なくメールです。
契約の更新時期のメールを見落として、そのままになってしまうとどうなるか想像できますよね?実際そうなってしまった方を、札幌Geezerは何人も知っています。
なので、もし毎日必ずチェックするようなメールアドレスを持っていない場合には、この機会にひとつ決めて、メールをチェックする習慣をつけましょう。
◇ 普段使いのメールアドレスがない場合には?
申込時に使うメールアドレスは、みなさんが契約しているインターネット接続業者により付与されてるものが一番安心だと思いますが、フリーのGmailでも問題ありません。
もし決まったメールアドレスをお持ちでない場合には、Gmailを使い始めることをお勧めします。今後は、Googleの様々なツールを使うことになる可能性が高いですので、Googleのアカウントを持つ意味も含めて便利になるからです。
参考までに札幌Geezerでは、フリーのGmailを個人用に、さらに業務用には有料版のもの(Google Workspace)を使っています。有料版では、取得したドメインを使ったメールアドレスをGmailの仕組みで使うことができますので、とても便利です。
◇ なぜメッセージではなく、メールなのか?
余談になりますが、メールはインターネットの仕組みそのものです。
メールを送受信するにはソフト(アプリ)を使わなければならないので、そう感じることはないかも知れませんが、メールの仕組みは、ウェブと同じで特定の会社やサービスに依存しているワケではありません。この点がメッセージとは大きく異なります(詳しくはこちらの講座)。
だからこそ、ネット上のサービスを利用し始める際には、メールアドレスがログインする際のIDとして使われているワケです。
普段の生活では、メッセージのほうが手軽で便利ですが、それはSNSなど特定の事業者に依存しているものですので、閉じた場所でしか利用できないのがメッセージです。
◆ レンタルサーバー契約の関連用語
レンタルサーバーを申し込むと送られてくるメールには、サーバーへのアクセス情報などが記載されています。契約時に送られてくるメールは重要ですので、専用のメールボックスを作成するなどして、すぐに見つけられるようにしておきましょう。
送られてくるメールの内容は、初心者にとっては技術情報のように見えてしまうかもしれませんが、そうではありません。初めて見る用語が多いと思いますので、一般的に記載されている事項について以下説明しておきます。
◇ ユーザーログインとサーバーログイン
レンタルサーバーの場合、「ユーザー情報管理のための会員ログイン」のページと、「サーバーのコントロールパネル(サーバーの管理画面)」へのログインのページとが別々になっている(入口のページが異なる)場合が多いようですので、混乱しないようにお願いします。
ユーザーログインでは、契約や支払いなどに関する情報の表示や登録情報の更新などを行うためのもので、これはサーバー会社のシステムを使うもの。一方コントロールパネルは、借りたレンタルサーバーをあなたのパソコンから遠隔操作するためのものです。
このふたつの入口のページが異なる場合(エックスサーバーやさくらインターネットなど)には、それぞれにログインするための情報が指定されていますので、実際にログインして確認しておきましょう。
・ 何故わざわざ二つに分けているのか?
コントロールパネルと会員(アカウント)情報の管理を分けている最大の理由は、サーバーの管理を誰かに任せるケースが多いからというのが、札幌Geezerが思う所です。
初めて持つウェブサイトを誰かに依頼して制作してもらう場合は、その管理も製作者に依頼する場合が多いと思います(以前は管理契約をしない場合は制作を請け負わないということも多かったです)。
そうするために、レンタル契約の管理権限は自分だけにしておいて、サーバーの設定と管理については任せることができるようになっているワケです。
◇ 初期ドメイン
初期ドメイン(さくらの場合 xxxxx.sakura.ne.jp など)は、サーバー会社が、取りあえずあなたに割り当てたドメインです。
実はこれを使って、サイトの作成を始めることができるのですが、それは焦りすぎです。
サイトの作成は、自分のドメインと暗号化(SSL)を、サーバーに設定してから始める
と、覚えておきましょう。自分のドメインを持つことの重要性については、こちらの講座をご参照下さい。
◇ FTP(エフ・ティー・ピー)サーバー
まず、”FTP” という言葉ですが、これは “http” の仲間で、サーバーと手元のパソコンとでやり取りをする際の通信方法のひとつです。http は、リンクをクリックすると、対象のデータが手元のパソコンなりに送られて来る通信方法。
対して、FTP は、「ファイルごとサーバーとやり取りをしましょう」という通信方法です。最初のうちは使うことはないと思いますが、この機会ですから意味だけでも覚えておきましょう。
まず、FTPを使うには、専用のソフトを自分で用意することが必要です。
http の通信をする(ウェブを見て歩く)時には、ブラウザーを使うように、FTPで通信するときは、その通信方法に合ったソフトが必要になるわけです。
札幌Geezerでは、NextFTP という有料のシェアウェアを使っていますが、フリーのものもたくさん出回っています。
画像は、FTPを使う際の画面です。上半分に表示されているのがサーバーに保管されているファイル、下が自分のパソコンのファイルです。FTPを使うと、上と下とのあいだで、フォルダーごとファイルをアップロード・ダウンロードすることができるようになっています。
契約時に送られてくるメールには、このFTPでサーバーと通信するために必要な情報が記載されています。FTPの項目には、「FTPのサーバー名」、「アカウント名」、「パスワード」が記載されているはずです。それらをFTPソフトに設定すれば、サーバー上のファイルに直接アクセスできるようになります。
FTPを使えるようになると、バックアップなどサイト運営上の自由度が広がりますが、初心者のうちは不要ですし、間違えた使い方をするとサイトが壊れてしまいますので、要注意です。
◇ メールサーバー
レンタルサーバーには、メール・サーバーの機能が備わっているのが通常ですので、取得したドメインを使ったメールアドレスを簡単に持つことができます。
メールサーバーに関する情報は、受信に関するものと送信に関するものとが、別々に表示されています。これらは、自分のパソコンで送受信をするために必要な情報で、メールソフトなどに設定します。
◇ DNS
サーバー会社によっては、受付完了のメールに、DNSに関する情報も掲載されています。
DNSとは、あなたが借りたサーバーのインターネット上の正式な住所(IPアドレスといいます)と、あなたのドメインとを結びつける仕組みのことです。
独自ドメインをレンタルサーバー会社で申し込んで使う場合には、この項目に書かれていることは、気にしないでOKです。
他社で取得したドメインを既に持っていて、それを使う場合には、このDNS情報を設定することが必要になります。あるいは、そのドメインの管理を、レンタルサーバー会社に移管します(手続きが必要です)。
◆ ログイン情報を混乱しないためには?
さて、ここまでで、サーバーのユーザー管理、サーバーの操作パネル、FTPと3組のログイン情報が出てきました。
ワードプレスを使うには、ワードプレスの管理画面へのログイン情報も出てきますし、データベース(次項で説明)を管理するにも別のアクセス情報が必要です。
またワードプレスを便利に使い込むには、さまざまな外部サービスを使い始めることになります。
というワケで、ワードプレスを使い始めるということは、ログイン情報(ログインページのURL、ログインID、パスワード)をきちんと管理することが必須となります。なので今後の作業を進めるにあたっては、
専用のノートを一冊用意してメモを取りながら進める
ことがとても重要です。
取りあえず何かにメモしておいてそれを放置してしまうようなやり方をしていると、何が何だかすぐにわからなくなってしまいます。
ノートの記録は、後になって役立つ時が必ず来ますので、面倒でも、一冊用意してから、レンタルサーバーの申込みをしましょう。
◆ この講座の要点
- メールの利用を習慣づけること
- 専用のノートを一冊用意してから始めること
- レンタルサーバーによっては、サーバーの管理画面と会員情報の管理画面とが分かれていて、別のログイン情報が提供されること
- 契約時に送られてくる情報の意味
◆ ご質問・ご要望について
疑問に思うことや説明が至らないことがありましたら、遠慮なく下のコメント欄またはお問い合わせフォームからご連絡いただければ幸いです。今後の更新作業の参考にさせていただきます。
◆ 課題
1.自分の言葉でまとめておこう
この講座で、得た学びを自分の言葉にしておきましょう。箇条書きが良いと思いますが、自分のスタイルでOKです。紙のノートでもパソコンやスマホのアプリでも構いませんが、脳内に留めずにその外側に一旦はアウトプットすることが重要です。オススメは紙のノートです。いつでもパラパラと眺めることができ、記憶に残りやすいからです。
2.ログインしてみよう
送られてきた情報を参照しながら、実際に自分のユーザーページとサーバーのコントロールパネル(別の場合)にログインしてみましょう。
3.難しすぎると感じたら「基本に戻って学ぶ」
サーバーとの「通信」や “http” といった内容が難しいと感じたら、『ネット発信の超入門』の4つの講座を学ぶことをお勧めします。パソコンの操作を除いては、この講座が全ての基本になっています。
4.発信しよう
「これは参考になった」あるいは何かの「インスピレーションを得た」ようなことがあれば、同じように感じる方が、あなたの周りにもいるかも知れません。学んだことをあなたの言葉で(←ここが重要)人に伝えようとすることで、それが自分のものになることを体験しましょう。