ホームページを運営するのであれば、それが表示される仕組み(技術的なことではない)を理解してきましょう。関連する基本的な用語も覚えておくことが、『理解を早める基礎力』になります。
IB-1: 超入門インターネットの仕組みと機能
はじめに
唐突ですが、今あなたがお読みになっているこの文章は、どこからどのようにして届けられたのでしょうか?
テレビやラジオであれば「テレビ局から電波に乗ってやってくる」程度のイメージは、なんとなくでもお持ちだと思います。
では同じように、インターネットの場合は?
もしあなたにとって、インターネットが見て歩くだけの場所なら、そんなことは知らなくても全く問題ありません。でも自分で、しかもワードプレスを使って情報を届ける側になるということであれば、話はちょいと変わってきます。
インターネットで情報が届く仕組みは、ちょいと複雑です。しかも、技術的なことではなく概要的な事でも、聞きなれないカタカタ用語がたくさん出てきます。
そこでこの講座では、インターネットのイメージをつかめるよう、基本の基となるカタカナ用語を説明しています。この機会に是非とも慣れておきましょう。インターネットの裏側は、あいまいさを許さないコンピュータですから、言葉があいまいなままだと、迷子になる原因となってしまいます。
◆ そもそもインターネットって何?
インターネットとは、「網の目のようにコンピュータ同士がつながっている通信ネットワーク」です。インターネットを構成しているコンピュータの数は、2022年3月時点で約1,119万台(こちらの調査)だったそうな。
みなさんが、今まさに読んでいるこの文章は、これらのコンピュータのひとつに保存されていて、それが「他のいくつかのコンピュータを経由(←ここが重要)」して、お手元のパソコンやスマホに送られてきたものです。
通信ネットワークといえば、電話がありますよね?
スマホが使われるようになって、インターネットと電話の通信網とを区別しにくくなってしまいましたが、電話のネットワークとインターネットの間には、決定的な違いがふたつあります。
ひとつは、電話の場合は「ひとつコケたらみなコケた状態」になるリスクが大きいことです。先日も携帯電話会社で大きなトラブルがありましたが、インターネットは、まさにこうしたトラブルを回避するために、軍用に開発され始めたのがそもそもの始まりです(歴史的な詳細はこちら)。
なのでインターネットは中継地点になっているコンピュータのひとつが故障しても、自動的に他のコンピュータを経由するようになっています。みなさんのお手元に届くデータ(文字や画像など)が、いくつかのコンピュータを経由して届けられる理由がここにあります。
◇ 電話の通信網とインターネットとの決定的な違い
さらにもうひとつ、インターネットはオープンな通信網であるであることが、電話のネットワークとは決定的に異なります。
そのオープンさというのは、誰でも「インターネットそのもの」に参加できるレベルのオープンさです。もちろん技術的な知識は必要ですが、インターネットを構成するコンピュータを自作して、1,119万台のひとつに仲間入りすることができる、それがインターネットなのです。
誰でも参加できてしまうことに、一抹の怖さを感じる方もいらっしゃると思いますが、私的には実社会の怖さと大差はありません。大切なのは、どちらの場合も自分を守るということを意識しておくことが必要だということです。
対して電話のネットワークは閉じたものですから、勝手にその通信網に接続することはできませんし、もちろんお役所の許可なくして電話事業に参加することはできません。
◇ パソコン通信とは、何が違うの?
私の年代に近いなら「パソコン通信やってました!」という方、いらっしゃると思います。ニフティサーブやPC-VAN、懐かしい響きですよね?
当時のパソコン通信は、大型の汎用コンピュータ(メインフレーム)を使っていたはずです。ということは、処理能力が極端に大きなコンピュータを使う「中央集約型」だったワケですが、インターネットは小さなコンピュータをたくさんつないで「数で勝負の分散型」みたいなイメージです。
通信の方法もアクセスポイント(電話番号でした)が決められていて、それ以外からはアクセスできない電話回線で通信をしていた点も、インターネットとの大きな違いです。
◆ インターネットの基本機能:ウェブと電子メール
さて、たくさんのコンピュータをつないで出来上がった通信網ですが、これによって実現したのが、このページのように情報を不特定多数の人に届けるためのウェブ(world wide web)と呼ばれている機能と、特定の人とやり取りするための電子メールです。
他にもありますが、ここでは、これら二つの仕組み(機能)を提供するための通信網がインターネットだと理解しておいて構いません。重要なのは、このふたつについては、インターネットが無くならない限り無くなることはないということです。
では次に、このインターネットの二大機能について、少し詳しく説明します。
◆ ウェブサーバーとブラウザーソフト(アプリ)
日本語ではウェブのことをインターネットと呼んでしまっていますが、インターネットは通信網でウェブはそれに備わった機能であることは、ここまでの説明でご理解いただけたと思います。
先ほど紹介したインターネットを構成している 1,119万台のコンピュータは、ウェブサーバーと呼ばれています。皆さんが今読んでいるこの文章も見えている画像も、そのうちの一台に保存されていて、それがみなさんのお手元の画面に届けられたわけです。
サーバーという言葉は耳にしたことがあるかも知れません。ウォーターサーバーのサーバーと同じです。
一般的に、サーバーと名のついたコンピュータは、リクエストに応じて保存されているデータを提供することに特化したものです。ウェブサーバーは、誰かがリンクをクリックしたときに、そのデータをクリックした人宛てに送り出すようになっています。
ホームページを持つには、レンタルサーバーを借りる場合が殆どですが、レンタルするのはこのウェブサーバーです。
◇ ウェブを使うためのソフトウェア(アプリ):ブラウザーについて
さて、ウェブサーバーから送られてきたデータを表示するのがブラウザーです。パソコンやスマホを購入すると、必ず最初から付いてきます。Windows(ウィンドウズ)なら現在はEdge(エッジ)、MacやiPhoneならSafari(サファリ)、Android(アンドロイド)スマホならChrome(クローム)といった具合です。
これらのブラウザーソフトは、どれもウェブで公開されている情報を見るためのもので、メーカーが違うだけです。テレビにも異なったメーカーのものがあるのと同じことです。そう考えると、放送局にあたるのがウェブサーバーということになります。
◇ SNS の専用アプリはブラウザーの一種
フェイスブックやツイッターなどのソーシャルメディアは、スマホでお使いの方がほとんどだと思います。
その場合、それぞれの専用アプリをスマホにインストールしてお使いですよね?これらのアプリは、そのソーシャルメディアに特化したブラウザーだと理解すると分かりやすいと思います。
かなり以前のことになりますが、アプリの存在を知らないままスマホのブラウザーでフェイスブックを使っていた方がいらっしゃいました。フェイスブックの新しい機能の使い方を説明していたときだったのですが、どうにも話が通じない。で、よくよく聞いてみるとスマホアプリは使わずに、ブラウザーでフェイスブックを使っていた、ということがありました。
今は、スマホのブラウザーアプリを使ってソーシャルメディアを使っている方はいないと思いますが、フェイスブックもツイッターもログインが必要なだけで、ウェブの一部であることは覚えておきましょう。
◆ 電子メールとメーラー
電子メールという呼び方はちょっと古臭いですが、ここではあえてそう呼びますね。
電子メールもウェブと同様にインターネットに備わった基本機能のひとつです。
最近は、SNSに備わったメッセージを使うことが多くなり、電子メールはあまり使わない方が増えているようですが、インターネット上の様々なサービスを使うには、電子メールの送受信ができなければ話になりません(キッパリ)。
もしあなたが「電子メールは邪魔だ」とお考えであれば、それは多分、スパム(迷惑)メールの対処の仕方が分からないまま、今に至ってしまったからではないかと思いますが、いかがでしょうか?
実は電子メールには、他の通信手段にはない特徴があるので、まずはその点をSNSのメッセージとの比較で、説明しておきます。
◇ 電子メールとメッセージとの決定的な違いとは?
電子メールは特定の事業者に管理されているワケではありません。対して、LINEを含めてSNSに備わったのメッセージを使うということは、それを運営している会社の方針に従うということです。
例えば、大手のフリーブログに備わったメッセージの場合、「個人情報や連絡先のやり取り」は、不健全なものでないかどうかを確認するためにチェックしていることが明記されています。もちろん全文をチェックしているわけではなく、電話番号などを自動的に抽出するようになっているのでしょうが、これには、「えっ?」と思いますよね?
このような意味で、電子メールは、自分以外の誰にも「管理されていない」ことが特徴です。
このことが良く分かるのは、自分のメールサーバー(メールのやり取りに特化したサーバー)を持った時です。ドメイン(解説はこちら)をお持ちであれば、自分のメールサーバーを持つことは簡単なことなのですが、それを管理しているのは自分自身です。
余談になりますが、これからワードプレスを使おうという場合、電子メールを普段使いすることは必須です。メールのチェックを怠ってしまい、「気が付いたらレンタルサーバーが契約切れでサイトが表示されなくなっていた」なんて話はよくあることですので、どうぞご注意を。
◇ 電子メールを使うための道具、メーラーとは?
ウェブを使うためのソフトはブラウザーですが、電子メールの場合はメーラーです。
「それって、メールソフトのことでしょ?」と思われた方、半分正解です。
実は最近は、メールのやり取りには2つの方法があって、メールソフト(アプリ)はそのひとつ。で、もう一つは、ブラウザーを使ってやり取りする方法(ウェブメール)です。ブラウザーは、メールソフトというワケではありませんので、このふたつを合わせてメーラーと呼んでいます。
どちらを使っても、メールのやり取りができます。たまに誤解があるのですが、これこれのメールアドレスは、ウェブメールでしか使えないということはありません。
・ メールソフト(アプリ)の特徴
ブラウザーソフトと同様に、メールソフトはパソコンやスマホに最初からインストールされています。
最近のメールソフトは、タスク(やるべきこと)やスケジュールの管理、連絡先リストとの連携ができるなど便利な機能が付属しているのが通常ですので、一度調べてみましょう。
メールソフトを使う場合には、送受信したメールは、手元のパソコン内に保存されます。このため、パソコンを買い替える時に面倒になりがちです。古いメールでも重要なものを新しいパソコンに引き継ぎたい、という場合には、次のウェブメールを使うほうが便利です。
・ ウェブメールの特徴
ウェブメールの代表選手は、なんといっても Gmail ですが、この他にも Yahoo! (ヤフー)メール、Outlook.com (アウトルックドットコム)、icloud Mail (アイクラウドメール)などなど、があります。
ウェブメールは、ブラウザーを使って受信したメールを読むようになっていますので、手元のパソコンやスマホにデータが保存されるわけではありません。この点は感覚的に分かりにくいと思いますが、ブラウザーを使っているワケですから、ホームページを表示したときと同じ状態なのです。
逆にウェブメールの難点は、インターネットに接続していなければ使えない(手元にデータがあるわけではないので)ことです。この点さえ問題なければ、メールソフトは時代遅れの感があります。外出先でスマホから、あるいは他人のパソコンからでも、ログインにしてメールをやり取りできることの便利さは、一度体験すると、メールソフトに戻る気はしないと思います。
◇ 電子メールの送受信は、ひとつにまとめよう!
余談になりますが、複数のメールアドレスを持っていて、メールアドレス毎に異なったメーラーを使っていると不便極まりないです。
メールソフト、ウェブメールのどちらを使うかにかかわらず、ひとつにまとめてしまうことができますので、設定の仕方を一度調べてみましょう。どのメーラーを選んでもメールアドレス毎にメールボックスを分けるなどの機能はそろっているはずですから、混乱することはないと思います。
◆ このページの要点
- インターネットは電話網の欠点を補った新たな通信ネットワークであること。
- インターネットでの通信(ウェブや電子メール)は、特定の事業主体による制限を受けているわけではなく、誰でも自由に参加することができるような仕組みになっていること。
- ウェブを使うための道具がブラウザーソフトで、最初からインストールされているもの以外のものにいつでも変更可能。
- 電子メールを使うための道具がメーラーで、ブラウザーまたはメールソフトのどちらでも電子メールのやり取りが可能。
◆ ご質問・ご要望について
以上、お若い方々ならいつの間にか身に付けている「説明不要で分かっていること」を、私の年代に近い方々向けに説明してみましたが、いかがでしたでしょうか?
疑問に思うことや説明が至らないことがありましたら、遠慮なく下のコメント欄またはお問い合わせフォームからご連絡いただければ幸いです。今後の更新作業の参考にさせていただきます。
◆ 課題
1.自分の言葉でまとめておこう
この講座で、得た学びを自分の言葉にしておきましょう。箇条書きが良いと思いますが、自分のスタイルでOKです。紙のノートでもパソコンやスマホのアプリでも構いませんが、脳内に留めずにその外側に一旦はアウトプットすることが重要です。オススメは紙のノートです。いつでもパラパラと眺めることができ、記憶に残りやすいからです。
2.発信しよう
「これは参考になった」あるいは何かの「インスピレーションを得た」ようなことがあれば、同じように感じる方が、あなたの周りにもいるかも知れません。学んだことをあなたの言葉で(←ここが重要)人に伝えようとすることで、それが自分のものになることを体験しましょう。