ここまでの講座で準備完了ですので、いよいよワードプレスのインストールです。さくらインターネットを例に説明していますが、ここまでで出てきた用語の意味を理解していれば、他のレンタルサーバーでも迷うことはないはずです。
WS-7:ワードプレスのインストールとログイン画面
◆ インストールまでの手順
ここまでの記事を順番に読みながら作業してこられた皆さんは、ワードプレスのインストールの準備はOKです。
念のために、ここまでの作業を復習しておくと、
- 独自ドメインの取得して、それをサーバーに設定する
- 設定した独自ドメインに対してSSL(https:)を設定する
- データベースを作成する(簡単インストールに含まれている場合あり)
です。
それぞれの工程の意味が理解できていれば、データベースの設定とワードプレスのインストールを一度にやってしまうなど、他のレンタルサーバーを使い始める際にも、困ることはないと思います。
◆ さくらインターネットの場合のインストール手順
コントロールパネルの「Webサイト/データ」→「クイックインストール」を選択します。 表示された画面で、WordPress の「新規追加」ボタンをクリックすると、下のような入力画面が開きます。
インストール時の入力画面は、前半と後半にわかれていて、前半部分はサーバー側の設定、後半はこれからインストールするワードプレスに設定される項目です。
◇ クイックインストール前半部分の設定項目
インストールURL:ここでは、初期設定で与えられているドメインに加えて、皆さんが設定したドメインが選択肢として表示されます。ドメインの前に “https://” が加わっていることを確認しましょう。”s” があるかないかで大違いです。
設定済みの独自ドメインを選択すると、以下のような赤文字の表示とともに新たな項目が出てきます。これは、事前にマルチドメインを設定していないからなのですが、慌てることはありません。
この場合には、「WEB公開フォルダーを変更」の下の欄に、任意のフォルダー名(半角英数字)を入力してやればOKです。
今後、複数のワードプレスサイトを運営する予定の場合には、どのサイトかわかり易いような文字列にしておくのが良いと思います。画像の中には、例として wordpress としましたが、sapporogeezer.com を使うワケですから、例えば “spg” とかだと、後でわかり易いです。
で、この意味ですが、インストールするワードプレスのファイルの置き場所を、ここで指定したフォルダーに変更して、なお且つそれを「WEB公開フォルダー」にします、という意味です。
WEB公開フォルダーとは、その中に保存されているファイルがネット上に公開されるものです。そのフォルダーをURLのルート(最上位の保存場所)にします、といのが「WEB公開フォルダを変更」を選択する意味です。なのでこの場合には、 “https://sapporogeezer.com/” がサイトのアドレスになります。
逆に、その下の選択肢となっている「公開フォルダーを変更せずに……」にチェックを入れると、”https://sapporogeezer.com/wordpress/” が、サイトのアドレスとなってしまいます。
利用データベース:作成しておいたデータベースを選択します。新たに作成する場合には、「データべース作成」のボタンから、作成することも可能です。
データベースパスワード:指定したパスワードを入力します。これによって、インストールするワードプレスがどのデータベースを使い、そのデータベースとのやり取りをする際のパスワードを指定したことになります。
テーブルの接頭語:これは、データベースにデータを書き込んだのは、何なのかを識別するための文字列です。ワード-プレスが書き込んだデータには、ここで指定する接頭語が使われます。ここは初期設定のままで構いません。
◇ クイックインストール後半部分の設定項目
後半部分はワードプレス側の設定です。ユーザ名以外は、インストール後にワードプレス側でいつでも変更することができます。
- ユーザー名:ワードプレスにログインする際のユーザ名です。このユーザ名だけは、後で変更することができません。第三者が推測できそうな “admin” や自分の名前などを使うのは避けておきましょう。それらを使って、ログインしようとする人がいますので。
- パスワード:不正なログインを回避するために、面倒でも、大文字小文字、数字、記号を混ぜたパスワードを作りましょう。
- メールアドレス:レンタルサーバーを申し込む際に使ったものと同じメールアドレス(普段使いのもの)を使いましょう。
◇ ライセンスと利用規約への同意について知っておくべきこと
さくらインターネットの場合は、ワードプレスをインストールする際に、ワードプレスの使用ライセンスと、さくらインターネット独自の利用規約に同意することが必要です。
これらにちゃんと目を通す人は、あまりいないと思いますので、札幌Geezer的に、知っておくべきだと思うことは、2点挙げておきます。
・ ワードプレスにも利用の制限がある
「ワードプレスは、ボランティアが作っているものなので無料で使える」ということは、みなさんご存知のことだと思いますが、だからといって自由に使えるワケではありません。
ウェブサイトの作成にワードプレスを使うのであれば、問題になるような制限はありませんが、プログラム部分をコピーしたり作り変えてそれを販売するとなってくると、話は別です。
この点については、ブログ記事の『ワードプレスのライセンス(GPL)と著作権と、コピーレフトの関係』をご参照下さい。
ワードプレスは、便利なものはドンドン広げようという、ボランティア精神があふれるコミュニティによって支えられているということを、忘れてはいけません。
今後、ワードプレスの本体に加えてテーマやさまざまな機能(プラグイン)を使うことになると思いますが、無料で提供されているものに対して、サポートがあるのが当たり前という感覚を、もしお持ちでしたら、その感覚はこの場で手放して下さい(キッパリ)。
・ サーバー会社としての利用規約の内容
ワードプレスのインストールに関するツールを提供しているのは、あくまでユーザの利便性を考慮してのことで、サーバー会社としては、ワードプレスがサーバー上で稼働するまでは、サポートしてくれますが、それ以上のサポートはありませんという意味です。
強引に内容をまとめてしまうならば、「ワードプレスの利用は自己責任でお願いします」ということになります。
そうはいっても、使い始めの頃は、何かトラブルになったときに、それがサーバー側の問題なのか、ワードプレス側の問題なのかわからないのが普通ですから、最初のうちは遠慮せずに、サーバー会社のサポートに遠慮せずに連絡してみましょう。
◆ エックスサーバーの場合のインストール手順
エックスサーバーの場合には、サーバーパネルから「WordPress簡単インストール」を使ってインストールを行います。
設定したドメイン名が表示されていますので、それを選択し、必要な項目を入力するだけですので、簡単にワードプレスのインストールが完了します(データベースは自動で作成されるようになっています)。
入力が必要な項目は、上記のさくらインターネットの場合のクイックインストールの後半部分と同じです。
◇ テーマの選択肢について
エックスサーバーの場合には、テーマを選択して同時にインストールしてしまうことができるようになっています。
ですが、テーマを選ぶのは、ワードプレスの基本的な機能、そのものに慣れてからにすることを強くお薦めします。テーマは後からでも簡単に追加でインストールすることができます。
ここでは、「WordPress デフォルトテーマ」を選択しましょう。
初めてワードプレスをお使いになる場合、最初から機能が豊富なテーマ(有料のものなど)を使おうとすると、迷子になりやすいです。まずは、ワードプレス謹製のデフォルトテーマで、慣れることが先決です。テーマは後からでも簡単に追加・変更できます。
◆ ワードプレスのログイン画面について
さくらの場合は、クイックインストールが完了すると、自動的にログイン画面が表示されるようになっています。
エックスサーバーの場合は、自動的にログイン画面が表示されるワケではありませんので、以下のどちらかのURLをブラウザーに入力して、ログインページを表示しましょう。
”https://あなたのドメイン/wp-admin”
あるいは、
”https://あなたのドメイン/wp-login.php”
ログインページが開いたら、必ずブックマークしておきましょう。
ログインボタンの横に表示されている、「ログイン状態を保持する」については、札幌Geezerは使っていません。あえて毎回ログインするようにしています。
「パスワードをお忘れですか?」は、リンクになっていますので、ここからパスワードをリセットできるようになっています。
このログイン画面は、世界中に公開されている画面です。で、ここから侵入しようという人達が世の中にはたくさんいます。札幌Geezerも、ここから不正侵入を試みる「リスト攻撃」を受けて怖い思いをしたことがあります(こちらの公開記事に詳細)。
ログインという言葉の意味が、今ひとつよく分からないという場合には、こちらの投稿記事『そもそもログインって、なに?』をご参照下さい。
◆ この講座の要点
- ワードプレスをインストールする際には、さくらインターネットのようにインストールするフォルダを指定することが必要な場合がある。
- ワードプレスをインストールするフォルダーを「公開フォルダー」とすることで、トップページのURLはドメイン名となる。
- ワードプレスは、無料で利用することができるが、プログラム部分を再販するには条件が付いている。
- ワードプレスの使用は自己責任であって、レンタルサーバー会社によるサポートは限定的なものであること。
◆ ご質問・ご要望について
疑問に思うことや説明が至らないことがありましたら、遠慮なく下のコメント欄またはお問い合わせフォームからご連絡いただければ幸いです。今後の更新作業の参考にさせていただきます。
◆ 課題
1.専用ノートにメモを残そう
この講座での作業内容は、専用ノートに書き残しておきましょう。札幌Geezerの経験上、後になってそれが役立つことが、必ずあります。
2.発信しよう
無事にワードプレスへのログイン画面が表示された方は、ワードプレスのインストール完了です。「自分でできました」と、SNSなどに書き込んでみましょう。「おめでとう」の言葉が、飛んでくると思いますよ♪