ぼんやりとでも、「ホームページを持とうか」と思ったら、ホームページには、現在どのようなタイプのものがあるのかをまずは知るのが吉。そうすることで、持つ目的がより明確になり、焦点を絞ることにつながれば大吉、という話題です。
IB-3: 自分のビジネスをウェブで発信する5つの型
はじめに
「ホームページ」という言葉には、どことなく陳腐な雰囲気が漂っていませんか?
ホームページが脚光を浴び始めたのはもう20年以上も前の話ですから、無理もありません。以前のホームページのイメージを今もそのままお持ちであれば、なおのことです。
この際ですので、ホームページという言葉はポイしてしまって「ウェブサイト」と改めませんか?ウェブサイトの「サイト」は場所のことですから、「ウェブ上で発信する場所」と呼ぶほうが、意味が通じてわかりやすいです(ウェブについては前回の記事を参照)。
実際、ウェブサイトには、ひと昔前とは比べ物にならないくらい多くの機能を備えることができるようになりましたし、そのおかげで、内容的にも個性を発揮しやすくなっていると、札幌Geezerは感じています。
また、旧来のホームページとは異なった仕組み(ショッピング専用など)を使って、手軽に(←ここが重要)継続的に発信できるものも出てきましたので、ここでは、それらも含めて全体をウェブサイト、または単にサイトと呼ぶことにします。
◆ 事業主体型のウェブサイト
現在も一般的にホームページと呼ばれているのは、自分の仕事やビジネスを発信するものですが、近年は内容が細かな目的に特化する傾向にあります。まずはそれらを含めて、タイプ分けして整理しておきましょう。
◇ ネット版会社案内タイプ
現在もこのタイプのものが残っているとすれば、「あ、そうですか」で終わってしまいそうです。
ホームページの利用が広がり始めた頃に多くの事業会社が立ち上げたものは、会社のパンフレットの代わりみたいなものが多かったですよね?
内容的にも、会社の沿革、所在地、代表者の挨拶、取り扱い商品の紹介など、どの事業会社のものも代り映えせず、飽きが来るのにそんなに時間はかからなかったと記憶しています。
なので、個人事業やフリーランスの方が昔風のホームページをこれから作成しても、思うようには働いてはもらえません(キッパリ)。
というよりも、必要最低限の情報を掲載してからがスタートです。この点については、別の講座で説明します。
◇ ブログ機能実装タイプ
ブログ(ウェブ上の日誌が語源)機能とは、新しい情報をどんどんと記事として追加し、それらを自動的に整理整頓して表示するものです。
これをサイトに備えることで、「お知らせ」ページや「イベント」ページなどの掲載情報を「手軽に更新し続けることができる」ようになったのがミソです。
◇ 縦長1ページタイプ
これは新しい機能というよりはレイアウトに関してですが、従来は複数ページに分けていたものを縦長の1ページにまとめて表示するスタイルが登場しました。スマートフォンでの表示に相性が良かったことや、ページの作成が容易なため、個人経営の事業者の間で利用が広まったようです。
(参考)スマホ対応のレスポンシブとは?
旧来のホームページはパソコンで表示することを想定して作成されていました。ところがスマホの利用が急速に広まったために、スマホでの表示用に自動的にレイアウトを変更して表示する手法が広がることとなりました。これがレスポンシブ(画面の大きさに合わせてレイアウトを変更する)です。
レスポンシブ対応になっていないウェブサイトをスマホやタブレットで表示すると、パソコン用に作成された画面が縮小されて表示されてしまいます。
◇ 単一目的に特化タイプ
旧来のホームページのイメージからはほど遠いい、単一目的型のウェブサイトが増えているのがこの数年の傾向だと、札幌Geezerは感じています。
例えばこのサイトは、チュートリアル(家庭教師)タイプです。海外では、こうしたサイトを作成するための専用サイトもいくつか出ていて、中には終了証を自動で発行するものまであります。
他には、会員組織専用のSNSを独自に立ち上げることができる仕組みも登場しています。また、販売専用のサイトも最近随分と増えてきました(後述)。
このようなワケですので、ウェブサイトを作成する入口も「ホームページの作成」だけではなくなっていることに注目です。
◆ 投稿記事蓄積型ウェブサイト
ブログサイトという言葉は、みなさんも聞いたことがあるかもしれません。
トップページには、投稿が新しい順に並んでいて、その隣のサイドバーには、過去の投稿を分類するメニューなどが並んでいるタイプのサイトです。
フリーで使えるアメブロやはてなブログなどでも同じようなレイアウトが採用されているので、見慣れている方も多いいスタイルだと思います。
余談になりますが、フリーで使えるブログサービスは、一時期大流行でした。眞鍋かをりさんの名前に懐かしさを覚える方も多いのではないでしょうか?
現在は、この型のウェブサイトを立ち上げる方の多くは、趣味または下記に説明する広告収入を得ることを目的にしていますが、ホームページの代用として利用されている方も中にはいるようです。
ブログサイトの利点は、多くの記事を整理整頓して表示できることです。でも実はこの他にも、コメント欄を使い読者と直接やり取りができることと、更新通知機能が備わっていることも旧来のホームページにはなかった大きな特徴です。
◇ ブログサイトのコメント機能は、邪魔な存在になった?
ブログが人気になった理由のひとつは、コメント欄を通して、発信主と読者とが直接やり取りをできるようになったことです。コメントの他にも自分のブログサイトにリンクを張る機能(トラックバック)も同時に提供されて、「これは便利になった!」と、ブログを使い始めた方の多くはそう思ったはずです。
でもそれは、投稿内容とは関係のない「迷惑(スパム)コメント」が増えたことで一気にしぼんでしまったというのが、札幌Geezerの経験です。当時は、現在のように自動的にスパムを排除してくれるような仕組みはありませんでしたので、ひとつひとつ対応している間に、嫌になってしまったのです。
現在は秀逸なスパム対策がありますので、コメント欄を活用しないのはもったいないように思います。対策の具体的な方法は、こちらの『ワードプレスのコメント欄の活用とスパム対策と』をご参照下さい。
◇ ブログサイトの更新通知機能とは?
ブログサイトはフォローすることができるということは、ご存じでしたでしょうか?
フォローするとはいっても、ソーシャルメディア(SNS)の場合とは異なって、「相手に自分のことを知らせない状態で」そのサイトの投稿を読み続けられる仕組みが、インターネットにはちゃんと備わっています。
この機能は、発信するだけであれば知らなくても不都合はありませんが、エンゲージメント(相手とのやり取りとお考え下さい)重視の傾向がいよいよ強まる中、知っておいて損はありませんので、以下簡単に説明しておきます。
・ 更新通知を受け取る「フィードリーダー」を知っておこう
まず、更新通知(フィード)の機能は、ブログの専用特許みたいなものではなくて、ウェブそのものに新たに備わった機能です。フェイスブックやツイッターなどのSNSも、そしてYouTubeも同様の機能を使っています。
そのおかげで、例えばYouTubeであれば、チャンネル登録をすると、そのチャンネルに新しい動画がアップされたときに自分のホーム画面に表示されるようになっています。フェイスブックやツイッターも同じです。おかげで、つながっている人たちのプロフィール画面をいちいち見に行く必要性がないので、便利ですよね?
それと同じことをフィードリーダーと呼ばれているソフト(アプリ)を使うことで、ブログサイトの新しい投稿記事を一か所に集めて表示することが可能です。
たまにしか更新されないブログサイトの場合、見に行くのを忘れてしまったらそれっきりになってしまいますが、フィードリーダーを用いれば大丈夫です。ブログだけではなく、更新通知に対応しているニュースサイトやウェブマガジンを登録することも可能です。
フィードリーダーの利用例については、こちらの『ウェブサイトの更新通知、フィードとは? 』が参考になると思います。
◆ 広告からの着地型ウェブサイト
もしあなたが、ウェブ上に表示される広告を躊躇なくクリックできるのであれば、ランディングページ(着地するページの意味です)に遭遇したことがあると思います。
ウェブ上では、広告を使ってサイトに誘導することは普通に行われているのですが、ここで問題。
広告をクリックしたときに着地(ランディング)するページは、どのページにしますか?ウェブサイトのトップページでしょうか?あるいは商品紹介のページ…?
「いやいや、広告からの着地ページは、専用のものを特別に作るべきでしょう」というワケで考案されたページがランディングページです。
縦に長いページになっていて、広告をクリックした人が、その場で購入に至るよう内容が工夫されていますが、他のページへ移動するためのリンクやメニューが一切ないといった行き過ぎた面もあり、好みが分かれるところだと思います。
◆ 販売特化型のウェブサイト
EC(電子商取引)サイトをホームページと呼ぶ人は、あまりいないと思います。
注文から決済まで全てオンライン上で完了する仕組みは、旧来のホームページには縁が無かったハナシですから、イメージが全く異なりますよね?
そのECサイトを個人でも持てるようになっているのが現在です。
そのためのサービスも様々なものが登場していて、中には独自のドメイン(ウェブ上の表札のようなものです)を設定してショップを開設、アクセス解析からお客様の管理、メルマガの発行機能まで提供しているものもあります。
こうなると、ワードプレスはいらない状態ですw。
というよりも、例えば手芸工芸品などのオリジナル商品の販売が目的の場合には、ウェブサイトを作るというよりは、ECサイトを作るという考え方で、そのための選択肢を調べてみることをお勧めします。ワードプレスを使ってECサイトを構築することも、もちろん可能ですが手間がかかります。
◇ 在庫不要のECサイトも登場
これは余談になりますが、デザインが得意な方向けに、そのデザインをTシャツやマグカップなどのグッズに印刷して販売することができる、ユニークなサービスも登場しています。
受注から商品発送までの時間はかかりますが、「このデザインが好き」ということであれば、待つことは苦になりませんよね?便利な世の中になったものです。
◆ 広告収入型のウェブサイト
「自分のビジネス」を発信するという意味からすると、この種類のウェブサイトは外れてしまいますが、ウェブ上にはこの種類のサイトがとても多いので、札幌Geezerが知っている範囲で、簡単に説明しておきます。
まず、ブログ機能だけでウェブサイトとして発信している場合には、広告収入を得ることを目的としている場合がほとんどだと思います。その場合には、投稿した記事を読みに来てくれた人が「誰かほかの人の広告をクリック」することが目標となりますので、まずは検索の上位に表示されて、アクセス数を稼ぐことが課題になります。
ネット上には、そのための情報が多数飛び交っているようですが、「広告をクリックしてもらうためのサイト作り」と「自分の仕事を伝えるためのサイト作り」とでは、入り口から大きく異なるというのが、札幌Geezerが感じていることです。
なので、誰がどのような目的で発信しているのかわからない情報には、振り回されないようにしましょう。
広告収入型のウェブサイトには、2種類ありますので、ここではその違いだけ理解しておきましょう。
◇ アフィリエイトサイト
アフィリエイトとは、誰かの商品を購入するためのリンクを自分のサイト内に設定しておき、そのリンクから購入された場合には、定められた報酬が発生するというものです。
アフィリエイトサイトの場合には、特定の分野に特化したウェブサイトを構築し、その分野に関連する「商品のプロモーション」をしています。近年は新聞にも「記事広告」というのがありますよね?それと同じイメージです。
◇ ブロガーサイト
ブロガーサイトは、「広告スペースを提供する媒体」のイメージです。新聞の紙面にも記事中広告がありますが、ブロガーサイトに表示される広告も同様です。
この場合、本文記事の中などに自動的に広告を差し込んでくれるような仕組みが提供されていますので、発信する側としては、例えば、自分の趣味あるいはエッセーなどの文章を、表示される広告のことは気にせずに発信するということになります。
◆ このページのまとめ
ソーシャルメディアも含めて、個人がどんどんと自分の仕事やビジネスを発信しているのが現代です。そうすると、「何が良い方法なのか?」と気になりますよね?
ウェブ上には様々な情報が飛び交っていますが、このページで紹介したように、ウェブサイトの種類も目的もさまざまですから、目に付く情報があなたの場合にあてはまるかどうかは別問題です。
このページで説明した「型」については目に見えるものですが、それぞれの目的となると、ある程度の推測はできても目に飛び込んでくる情報だけで、判断できるものではありません。
札幌Geezerは、「ウェブサイトはカタチになってからがスタート」だと機会がある度にお伝えしていますが、その背景理由のひとつが、このことなのです。自分の仕事のやり方に合ったウェブサイトの働かせ方はどのような事か、そしてそのためには何が必要かを模索しながら、自分流を追求しましょう。
◆ このページの要点
- ひと口にホームページ(ウェブサイト)といってもタイプや目的は様々であること。
- サイトの目的に応じて、教育者向けや販売者向けなど様々なサービスが登場していること。
- ネット広告を利用する場合にはランディングページと組み合わせる場合が多いこと。
- 現在はスパム対策が提供されており、コメント欄や問い合わせからの迷惑防止策を取ることが可能なこと。
- フィードリーダーを活用することで、ブログサイトなどをフォローすることが可能であること。
- ホームページ(ウェブサイト)は、立ち上げてからの試行錯誤が必要。
◆ ご質問・ご要望について
疑問に思うことや説明が至らないことがありましたら、遠慮なく下のコメント欄またはお問い合わせフォームからご連絡いただければ幸いです。今後の更新作業の参考にさせていただきます。
◆ 課題
1.自分の言葉でまとめておこう
この講座で、得た学びを自分の言葉にしておきましょう。箇条書きが良いと思いますが、自分のスタイルでOKです。紙のノートでもパソコンやスマホのアプリでも構いませんが、脳内に留めずにその外側に一旦はアウトプットすることが重要です。オススメは紙のノートです。いつでもパラパラと眺めることができ、記憶に残りやすいからです。
2.発信しよう
「これは参考になった」あるいは何かの「インスピレーションを得た」ようなことがあれば、同じように感じる方が、あなたの周りにもいるかも知れません。学んだことをあなたの言葉で(←ここが重要)人に伝えようとすることで、それが自分のものになることを体験しましょう。